KISHO TOSYA

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林英哲「迷宮の鼓美術少年」コンサート

2013.11.04

世田谷パブリックシアターでの英哲さんのコンサートに

行ってまいりました。

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今回は横尾忠則をテーマに舞台づくりなさった。英哲さんは若かりし頃、

美術の世界を目指されたとのこと・・・画家シリーズとしては6回目!

シリーズにするつもりはなかったとおっしゃってましたが・・・

 

コンサートは一言でいえば、無駄をそぎ落としきった挑戦!

といった所か?クオリティの高さはいうまでもなく、太鼓打ち42年で

培われた集大成のような・・唄もあり舞踊ともいえる振もあり、

そしてセリフもある。セリフは今までのご自分の

人生を振り返り、これでよかったのか?といったような内容で・・・

弟子の風雲の会のメンバーが加わり、

問いなどに答える。

 

照明、美術、そしてなんといっても演出、構成が素晴らしかったように

思える。曲のバランス、順序もよく考えておられ全く飽きささない。

太鼓以外の打楽器も出てくるが・・・

どれも効果的に良い塩梅に使われている。

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その昔は太鼓といえば郷土芸能や祭り、宗教で使われたいた楽器。

その楽器をつかった太鼓集団が現れ、英哲さんは集団生活の後

ソリストという当時誰ももいなかったであろう、道を歩まれることに。

 

その道はきっと真っ暗で、まさしく迷宮、どこに向かって一歩踏み出せばよいのか?

そんな思いだったのではと想像してしまう。恐らく夢と不安が入り乱れ

いろんな思いがおありだったのでは・・・と思う。

 

今では太鼓奏者として先駆者であり、その道しるべを作った人で

あるといって良いだろう。そういった道を歩まれたからこそ、

英哲さんのステージ、太鼓を打っているその後ろ姿をみていて、

知らずに涙がでるのだろうか?

 

もちろん人を魅了する何かをお持ちなのだろうが・・・

技術の高い奏者は現在数多くおられる。しかし

圧倒的に英哲さんが60歳を超えても頂上に君臨されておられ

他とは一味も、二味も違うのではないかと思う。

 

そこにはとても大きな大きな精神性が存在するからではないか?

そして人間としての知性、品、謙虚さといったものも、

普段から話をさせて頂いても感じる。

それは弟子の皆さんにも感じる。

だから英哲さんのステージは芸術性を感じることが

出来るのだろう

 

僕にとってやはり憧れの存在で、その生き様は見習うことが

多くあるように思える。

伝統芸能の世界とは違うと言えば違うが、英哲さんを見ていると

伝統といったいわば、大きなものに守られていると

本来見えなければいけないものが、見えなくなっているような

気がしてならない。

 

それは何か?意外と単純な・・・必死さであったり、

ガムシャラさであったり雑草魂のような・・・

その必死さ、姿勢が観る人の心をとられるのかもしれない。

 

一言でいうと「覚悟」なのかもしれないな。

もっともっと勉強せねばならいなと痛感した意味のある一日であった。