5月25日、渋谷伝承ホールにて行われた第25回「平家物語りの夕べ」お陰様をもちまして無事終了致しました。
2回公演でしたが、超満員で本当に多くの方にお越しいただき有難うございました。
僕は若村麻由美さんの語りと笛のみという演出での「木曾最期」と無名塾の中山研さん、
林英哲風雲の会田代誠君との「坂落とし」の二番に携わらせて頂きました。
「坂落とし」は平家物語の夕べにおいても、語り手が太鼓を演奏しながらという始めての
試みであり、その構成を若村さんと度々の打ち合わせをし、私が作曲をさせて頂きました。演奏するだけでなく、
こういった段階から参加させて頂くことは、本当に勉強になります。何が?と言いますと、
本来ジャンルの違う方と多くの話し合いをし、一緒に作品作りをさせて頂くと、まず思考、論理の組み立て方を
見れると言う事です。また一つの作品をつくるに当たって、その深い掘り下げ方を伺えると言う事は、音楽をやって
いる僕には多少の習慣の違いを見れると言う事でありました。また坂落としについては昨年秋から半年に渡り、
作りこんできました若村さんとは正月京都での9時間に及ぶ二人っきりの打ち合わせ。さすがに参りましたが(笑)。
あのタフさと言いますか、妥協のなさは、本来僕もそういうタイプであるのですが、脱帽しました。
昨日のように思いだされます。そういった姿勢を拝見し、僕が今後色々な物を作らせて頂き、
仕事をする上では大きな財産となるのではないでしょうか?
まぁこれを生かすも殺すも僕の心がけ次第なのですが・・・・笑
坂落としを語られた、中山研さんも、多少の太鼓演奏の経験はおありでしたが、スタイルとしては今回の平家で
上演するには根本から変える必要がありました。どこまで半年で稽古を重ね、変えれるか?またどのレベルで
曲を作るか試行錯誤しましたが、流石役者さんのその姿勢は大したもので、かなり努力をなさったように思います。
僕が言うのも失礼なのですが、敢えて言わせて頂きます。決して器用な方ではないと思います。
しかしながら、器用に小手先でおやりになるより、そのコツコツと努力をなさっている事が、
稽古に伺うたびに進化なさっているのが分かるのです。これが何とも拝見していて清々しと言うが・・・
心に響く物となって伝わってきます。これも若村さん同様、仲代達矢さんの無名塾ならではの姿なのでしょうか?
サブで演奏してくれた田代君の力も大きな物となり、本当に良いチームワークが出来た事、
感謝しております。なにわともあれ、想像以上の仕上がりで出来ました事は、僕としてはホットしております
良かった良かった。
イッセ―尾形さんも素晴らしかった。歴史ある平家であろうが、あの普遍的なご自分のスタイルを辛く姿勢。
本物だと思いました。また声優さんの羽佐間道夫さん(スタローン、アルパチーノ等)を始めとする方達。
子午線の祀りをサプライズとして出演なさった近石真介
さん。近石さんは本当に凄かった。稽古場で始めて拝見したのですが、一瞬で稽古場をご自分の世界、
空気感を御作りなった。感動し
ました。これが芸の力なんですね。一つの物を長年やられてきた、子午線、完全にご自分の物しておられる。
これを拝見できただけでも僕は満足でありました。(近石さんは初代マスオさんの声。声の響きも最高でした。}
今年11月に京都で再演と言う話しもありますので、今回以上のクオリティで観て頂けるよう出演者一同、
精進してまいりたいと思います。また観に来られていた、野村萬斎さんとも若村さんと3人でお話が出来、
萬斎さんらしい感想を伺えた事も、
勉強になりました。世界は違えど、同じ古典芸能の方ならではの感想で、うなづける事が多かったように思えます。
また機会がありましら、ゆっくりお話したい物です。若村さんとはまだ、一緒に仕事をするお話もありますので、
しばらくお付き合いさせて頂く?していただく?事になりそうです
が、沢山吸収したいものです。